
ラオス図書箱配布活動のお礼とご報告
SVA ヴィエンチャンプロジェクトマネージャー 川村 仁 さん
2004年3月23日
山田町国際交流協会様
2004年3月23日
2003年度ラオス図書箱配布活動のお礼とご報告
皆さまにおかれましてはシャンティ国際ボランティア会へのご理解ご協力、そして特にラオス図書館事業の図書箱配布活動にご支援をいただきまして、本当にありがとうございました。2001年度の図書箱配布活動も無事終了し、ご支援へのお礼とご報告とさせていただきたいと存じます。
ラオスにおけるこの図書箱配布活動は1990年に始まりました。現ラオス国立図書館長であるコンドゥアン・ネッタヴォン先生をはじめとする意識ある方達が、図書の圧倒的不足に悩むラオスの将来を憂い、特に地方の学校の子ども達に1冊でも多くの図書を届け、読書の機会を与えたいと願い、自らのお金を出し合って図書箱をつくって小学校に配布したのが始まりです。
最初の頃は、本を大切にするあまり、1年中図書箱にカギをかけて子どもに触らせなかったり、逆に子どもが学校から借りてきた本のページを父親が破ってタバコを巻いて吸ってしまったり、などということが多く、この活動には困難が絶えなかったと聞きます。
その後1992年にSVA(その当時JRSCJapan Sotoshu Committee)はこのラオス読書推進活動に協力を開始、以来全国の小学校に図書箱配布を続けてきました。2000年12月にはこのラオス読書推進事業10周年の評価会議を開催し、配布状況、問題を確認しました。2000年の12月現在で、4717校の小学校に図書箱配布がされていますが、まだまだラオスの小学校9000校全てに届くところまでは至っておりません。
また、SVAとしても10年になるこの活動の評価を始めております。当初は毎年3つの県で配布をしてきましたが、2001年以降は90~100箱の図書箱を1県にしぼり、小学校に配布することにしております。と申しますのも、モニタリングにより、800人や1000人も児童がいる学校に図書箱が1箱だけでは利用が難しく、本が足りないことがわかったからです。また1箱では各教室に図書箱を持っていって利用することもできないようです。そこで現在は、各小学校の児童数によって1箱~4箱の図書箱を配布しています。幼児・小学生用と小学校高学年から中高生・成人向けと2種類の図書箱を作り、複数の箱を配布する学校にはその2種類を寄贈し、小学生のみならず学校の先生や村人、中学生高校生にも読書の機会をもってもらおうとしています。
図書箱のデザインもより多くの子どもが同時に本に接することができるように、箱の4面が全部開くデザインにし、箱の表には子ども達の興味を引くかわいいイラストも加えました。
この図書箱の配布においては、箱の製作、本の購入、日本語絵本のラオス語への翻訳、地方への運搬、ワークショップの開催、モニタリング、本の補充と大変な手間と予算がかかります。しかしながら、本当に教科書以外に一冊も本を見たことがないような地方の学校の子ども達にとっては、この図書箱が、本の世界、そして見たことのない大きな世界への扉を開く大切な役割を果たしています。
2003年度も101箱の配布を無事終了することができましたのは、皆さまからの資金的なご協力があったからに他なりません。これからもこの活動に対して、何卒ご協力をお願いする次第でございます。
活動報告
(1)図書箱配布活動
国立図書館との協力の下に、101箱の図書箱を製作配布した。図書箱は以前からのものに改良を加え、縦60センチ×横80センチ×幅20センチのサイズで、4面がつながって開く構造になっている。以前のものは箱のサイド両面が開くだけだったが、学校の教室内で利用しやすいように、多くの子ども達が本を選びやすいように改良を加えた。
図書箱の中に入れた図書は、日本の絵本を翻訳したもの、ラオス語絵本、読み物、歴史、農業、暦や占い、英語、法律など130冊弱となっている。小学生向けの本を中心に、成人までを対象とした本を詰めている。以前は原則として小学校1校に1箱の図書箱を配布していたが、学校の先生から、児童が800人、 1000人もいる学校では130冊の本ではとても足りないという声が多く聞かれた。そこで、今までに配布した学校での使用状況をモニターしたところ、以前は学校に1箱が基本だったため、先生の事務室や校長室に置かれていることが多く、各教室に運ばれて教室内で利用されることが少なかった。SVAとしては今後各教室に先生が図書箱を持っていって、現在教育省のカリキュラムにある「特別活動」の時間などをつかって各教室で読書活動を行って欲しいことを提案し、各学校の児童数によって1箱から4箱の図書箱を配布した。
2003年7月~10月にかけて、図書箱の発注、ラオス語の図書の購入、及び図書箱に130冊の書籍を詰める梱包作業をし、11月にはサワンナケート県に発送した。(一部ヴィエンチャン県へ配布)
その後、図書箱を各小学校に配布する際には、図書サービスの意義や図書の貸し出し方法、子どもの読書に対する関心を高める活動の講習会を実施した。また各学校群ごとで集まり、学校群の中でどうやって本を巡回させるかを話し合ってもらった。
- (1)図書箱配布研修会
- 2003年11月12日~14日、サワンナケート県教員養成学校にて実施。サイブリ郡、アートサパントーン郡の47校の小学校教師と県教育局、郡教育局職員が参加した。
- 図書箱の配布は、図書の少ない遠隔地において、図書に接する機会を提供すると同時に、学校の授業の一貫に組み入れることにより、子ども達の授業への関心を高めている。
- (2)2002年度図書箱配布モニタリング
- 2003年3月26日~27日、2002年度に図書箱を配布したサワンナケート県2郡(ソーンコーン郡、ジャンポーン郡)にて、2002年度図書箱使用状況のモニタリングを実施。
- 各学校で、図書箱の使用状況の確認、問題点や意見のヒアリングをし、また、SVAスタッフによるおはなしの仕方の指導や活動紹介などを行った。
(2)今後の計画
(1)2004年度は配布県を北部ルアンパバーン県に移し、サワンナケート県と同様に2郡を選び、図書箱研修と配布を行う。
(2)2004年3月末にサワンナケート県2郡(サイブリ郡、アートサパントーン郡)を訪ね、2003年に配布した図書箱のモニタリングを行う。
(3)教育省とJICAが企画する「小学生作文コンテスト」の実施に協力、SVAはサワンナケート県の調整を担当し、県内の小学生に読書と作文の機会を提供する。
(4)2003年9月に開館したサワンナケート県公共図書館と各小学校の図書箱のネットワークを結び、本の補充や修理などをなるべく自分達の力で行えるよう支援する。



図書箱配布先
山田町国際交流協会様ご支援の図書箱は下記の■色付きの学校に寄贈させていただきました。


